ソフトウェア・セキュリティ株が堅調…モデルナが14.21%急騰し52週来高値を更新
半導体は軟調・通信株が急落…来週の物価指標や銀行決算に注目
9日(現地時間)のニューヨーク株式市場の主要3指数はそろって上昇した。マイクロソフトやアマゾンなどの大型株が上昇して指数を下支えし、主要なソフトウェア・セキュリティ株も堅調な推移を見せた。もっとも、半導体株は軟調地合いとなり、通信株はスペースXの移動体通信事業拡大に伴う競争激化への懸念から急落した。
この日のダウ工業株30種平均は、前営業日比423.31ドル(0.83%)高の5万1654.95ドルで取引を終えた。S&P500種指数は46.18ポイント(0.59%)高の7811.54、ナスダック総合指数は172.83ポイント(0.64%)高の2万7366.17で引けた。週足ベースでも3指数はいずれも上昇した。
大型テック株の中では、マイクロソフトが2.38%、アマゾンが3.29%上昇した。テスラは2.05%、アルファベットは0.97%それぞれ値を上げた。一方、アップルは1.11%、メタは0.31%下落するなど、銘柄によって方向性が分かれた。
アップルについては、新製品の生産調整に関する報道が重荷となった。一部のサプライヤーに対し、「iPhone 18 Pro」および「Pro Max」の部品生産を削減するよう要請したとの報道が伝わった。この報道では、メモリ価格の上昇や製品価格の値上がりが需要に与える影響が指摘された。
ソフトウェアおよびサイバーセキュリティ銘柄では上昇が際立った。パランティア・テクノロジーズが5.17%、オラクルが4.21%上昇し、パロアルトネットワークスやクラウドストライクもそれぞれ5.09%、4.57%値を上げた。フォーティネットも2.99%高と買いが優勢となった。
半導体株はこうした流れから外れた。エヌビディアが0.52%、AMDが2.03%、インテルが2.22%下落した。マイクロン・テクノロジーも0.66%安となった。ブロードコムは0.39%上昇したものの、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前営業日比51.30ポイント(0.41%)安の1万2572.42で取引を終えた。
通信株では、前日に発表されたスペースXによる周波数買収のニュースが売りを誘発した。スペースXがグレイン・マネジメントの米国全土における800MHz帯の周波数ポートフォリオを買収することで合意したことを受け、スターリンク・モバイルが既存の移動体通信事業者との競争を激化させるのではないかとの懸念が強まった。この買収には規制当局の承認が必要となる。TモバイルUSは13.27%急落し、ベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tも大幅安となった。
ヘルスケア関連では、モデルナの急騰が目を引いた。モデルナは前営業日比14.21%高の225ドルで引け、取引時間中には52週来高値を更新した。この日、ナスダック100指数に再組み入れされたことに加え、米国立衛生研究所(NIH)などが参加するがんワクチン開発の官民連携が推進されるとの報道が伝わり、期待感が浮き彫りとなった。ユナイテッドヘルス・グループは2.25%、ジョンソン・エンド・ジョンソンは1.93%、メルクは2.26%それぞれ上昇した。
主要銀行株も決算発表を控え総じて上昇した。ウェルズ・ファーゴが1.85%、ゴールドマン・サックスが1.44%、バンク・オブ・アメリカが1.32%値を上げた。
株価上昇とは対照的に、消費者の景況感は改善しなかった。ミシガン大学が発表した10月の消費者態度指数(速報値)は46.3と、9月の48.1から低下した。今後1年のインフレ期待は4.6%から4.7%へ、長期のインフレ期待は3.4%から3.5%へそれぞれ上昇した。ミシガン大学は、高水準の物価や借入コストが耐久財の購買環境に対する評価を悪化させたと説明している。
来週は、主要銀行の第3四半期決算や米国の物価指標の発表が相次ぐ。13日のJPMorganチェースやゴールドマン・サックスなどの決算発表に続き、14日には9月の消費者物価指数(CPI)が公表される。企業の好業績が株価上昇を下支えできるか、また物価動向が米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ・利上げの判断にどのような影響を与えるかが最大の焦点となる。







