米ニューヨーク株式市場は16日、ハイテク株を中心に下落した。人工知能(AI)関連企業による巨額投資が収益につながるかに対する疑念が根強く、売り圧力が強まった。国際原油価格の上昇も物価負担を増大させ、投資家心理を圧迫した。
この日のダウ工業株30種平均は、前日比175.28ドル(0.34%)安の52,002.41ドルで取引を終えた。S&P500種株価指数は84.62ポイント(1.09%)安の7,659.44、ナスダック総合株価指数は573ポイント(2.15%)安の26,140.03を記録した。
AI関連株の軟調さは、投資拡大を支える財務余力への懸念と重なった。データセンターや半導体に投じられる膨大な資金が、どの程度速やかに利益として還元されるかが市場の関心事として浮上している。借入依存度の高い企業は、高金利が続けば利払い負担が増加する可能性があり、収益性と資金調達環境に対する警戒感が続いている。
AIインフラ企業のコアウィーブは約12%急落し、直近5営業日の累積下落幅は約25%に達した。今週に入り社債価格も大幅に下落しており、一部の債券利回りは15%を超えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は約3.8%下落し、8営業日続落となった。
半導体銘柄の弱さも際立った。AMDは約6%、インテルは5.8%、マイクロン・テクノロジーは5.6%、ブロードコムは4.5%それぞれ下落した。一方、エクソンモービルとシェブロンはそれぞれ約2.5%、2.6%上昇し、ハイテク株とは異なる動きを見せた。
国際原油価格は、中東情勢とロシアのエネルギー施設を巡る供給不安から上昇した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は前日比約3.5%高の1バレル=101.41ドル、ブレント原油の期近物は約3.7%高の109.86ドルで引けた。原油高は原油生産企業の収益期待を高める一方、経済全体にはコストと物価負担を増大させる要因となる。
金融政策を巡る不確実性も残っている。米連邦準備理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ氏は同日、タイのバンコクで、米経済の回復力を評価しつつも、今後の利下げ決定に関する具体的な方向性は示さなかった。AIなどの投資拡大が長期的に生産性を向上させる可能性はあるものの、短期的には需要を喚起し、物価上昇圧力につながる可能性があるとの見解を示した。
米10年物国債利回りは、この日は5.09%前後と前日から大きな変動は見られなかった。国債利回りの動きが限定的な状況下でも、ハイテク株への売りは続いた。
週間ベースでは、ナスダックが4.48%、S&P500が1.95%それぞれ下落し、両指数とも6月以来で最も低調な1週間となった。ダウ平均は0.67%上昇した。ハイテク株比率が高い指数への下げが集中し、業種による二極化が鮮明となった。







