モルガン・スタンレー、追加指標に注目…ナティシスは12月利上げが有力と評価
プリンシパルは来年初めの追加利上げ、INGは長期据え置き後の来年末利下げを予想
米連邦準備制度(FRB)による10月の基準金利据え置きを受け、世界の投資銀行や資産運用会社の間では、12月の追加利上げに重きを置く見方が広がっている。物価上昇圧力が残っており、今回の決定を「引き締め終了」とみなすのは時期尚早という判断からだ。ただし、来年も利上げを継続するのか、それとも相当期間金利を維持した後に引き下げへ転換するのかを巡っては、見方が分かれている。
FRBは28日(現地時間)、連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年3.75〜4.00%に据え置いた。去る9月の0.25%ポイントの利上げに続く「小休止」の決定となる。委員会メンバー10人が据え置きに賛成し、2人が追加利上げを主張した。
モルガン・スタンレーのエコノミストらは、会議後の声明が追加利上げの可能性を排除していないと解釈した。物価が依然として高いという評価や、追加データを基に政策スタンスを判断するという文言に注目したためだ。引き締めは終了していない可能性があり、今後の措置は新たに発表される経済指標にかかっているという分析だ。
ナティシスは、物価と雇用の状況を根拠に12月の利上げが有力視されるとの見方を示した。ナティシス米州主席エコノミストのクリストファー・ホッジ氏はロイターに対し、物価問題が継続する中で成長基調が堅調であり、失業率も安定していると説明した。今回の据え置きについては、9月の利上げ以降の資産価格のボラティリティ(変動性)や一部ハイテク株の不安定な動きが、追加引き締めと同様の効果をもたらしたとFRBが判断した可能性があるとの見解を示した。
米資産運用会社のプリンシパル・アセット・マネジメントは、直ちに利上げを急がなかった今回の選択は適切だったと評価した。チーフ・グローバル・ストラテジストのシーマ・シャー氏は、AI(人工知能)投資がブームを迎えているものの、経済全体が均一に強いわけではなく、高い地政学的不確実性も追加データを確認すべき理由になると指摘した。
その一方でシャー氏は、12月に続き2027年初めにも利上げが行われると予想した。利上げを求めた2票の反対票は、FRB内部のタカ派的な傾きを示しているとの判断だ。今回の据え置きを支持しつつも、追加利上げの必要性は残っていると捉えた形だ。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは、物価の動向次第で来年も引き締めが継続する可能性を残した。債券・流動性ソリューション部門のグローバル責任者兼最高投資責任者(CIO)であるケイ・ヘイグ氏はロイターに対し、12月の利上げ再開を予想していると述べた。エネルギー価格が再び上昇するか、あるいは強い経済指標が続けば、来年も追加の引き締めが必要になる可能性があると評価した。
オランダの金融グループINGは、12月の利上げ後に長期据え置きを経て利下げへ転換する道筋を提示した。会議後の報告書で、12月に0.25%ポイントの利上げが行われて誘導目標が年4.00〜4.25%に達した後、相当期間その水準が維持されるとの見通しを示した。次回の金利調整の時期は2027年12月と予想し、この時点で0.25%ポイントの利下げに踏み切ると見込んだ。
INGの予想には、エネルギー供給状況が改善するという前提が敷かれている。米中間選挙後にペルシャ湾のエネルギー供給のモメンタムが改善する合意が結ばれ、輸送・保険コストが低下すれば、物価圧力が緩和されるというものだ。これに緩やかな賃金上昇と住宅費上昇率の鈍化が加わることで、来年下半期には米国の物価上昇率が2%に低下する可能性があると分析した。
米資産運用会社のノースライト・アセット・マネジメントも12月の利上げ可能性を高く見たが、来年の見通しには景気減速のリスクを反映させた。CIOのクリス・ジャカレリ氏は、FRBが次回の会議で金利を引き上げる手がかりを残したと評価しつつも、高水準の金利がAI投資に影響を与え、経済が困難に直面するとの見方を示した。
ジャカレリ氏は、今後12カ月の間に成長の減速や景気後退(リセッション)が発生すれば、来年末には金利が低下する可能性があると分析した。逆に経済が堅調な流れを維持すれば、市場が予想する2回を超えてさらに利上げを行う可能性があると付け加えた。







