ダウ0.25%・S&P500 0.30%下落…フィラデルフィア半導体株指数1.42%安
アルファベット12.64%急落…金融・ヘルスケア堅調の中、ラッセル2000は1%上昇
米ニューヨーク株式市場の主要3指数が29日(現地時間)に下落した。アルファベットの決算発表を契機に、人工知能(AI)投資の拡大に伴うキャッシュアウト(現金支出)の負担が意識され、大型ハイテク株が軟調な展開となった。ただ、金融やヘルスケア銘柄が総じて上昇し、中小型株も堅調だったため、銘柄ごとの動向は分かれた。
この日のダウ工業株30種平均は前営業日比132.54ドル(0.25%)安の5万2342.56ドルで取引を終えた。S&P総合500種指数は23.59ポイント(0.30%)安の7720.39、ナスダック総合指数は365.13ポイント(1.38%)安の2万6184.72で引けた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も165.80ポイント(1.42%)安の1万1518.20を記録した。
下落の中心にはグーグルの親会社アルファベットがあった。アルファベットのクラスA株は12.64%急落した。前日に公表した第3四半期売上高は1275億7700万ドルと前年同期比25%増加したものの、金融情報会社LSEGがまとめた市場予想の約1282億ドルには届かなかった。グーグル・クラウドの売上高が103%増加した一方、主力である検索事業の売上高伸び率は12%にとどまった。
設備投資額は営業活動によるキャッシュフローを上回った。アルファベットの第3四半期の設備投資は約514億ドルとなり、営業キャッシュフローの約423億ドルを上越えた。この結果、フリーキャッシュフロー(FCF)は約91億ドルのマイナスとなり、2四半期連続の赤字を記録した。
ソフトウェア企業は、将来の成長見通しに対する失望から大きく値を下げた。サービスナウが26.95%安、フォーティネットが20.09%安となった。サービスナウは今後12カ月以内に売上高として認識される契約残高の伸び率見通しが市場の水準を下回り、フォーティネットは通期のサービス売上高見通しを引き下げた。セールスフォースとパロアルトネットワークスもそれぞれ4.63%安、3.53%安で引けた。
半導体セクターでも主要銘柄が総じて軟調となった。エヌビディアが0.80%安、ブロードコムが1.94%安、AMDが2.08%安、マイクロン・テクノロジーが4.98%安となった。マーベル・テクノロジーは、データセンター向け光学部品メーカーのルメンタム買収に向けた最終調整に入ったと報じられ、13.24%下落した。一方、半導体製造装置のKLAとアプライド・マテリアルズはそれぞれ5.45%高、1.36%高と上昇した。
AIデータセンターの拡大に伴う発電設備需要の恩恵を受けてきたキャタピラーも9.25%下落した。第3四半期の売上高と調整後1株当たり利益(EPS)は市場予想を上回ったものの、通期の売上高成長率見通しを据え置いたことで、高まっていた期待を充たすには至らなかった。
ヘルスケアの主要銘柄は堅調な値動きとなった。イーライリリーは、糖尿病・肥満症治療薬「マンジャロ」と「ゼップバウンド」の販売増を背景に通期売上高見通しを引き上げ、6.63%高となった。同社が提示した今年の売上高予想レンジは910億〜920億ドルと、従来の850億〜870億ドルから引き上げられた。メルクは3.83%高、ギリアド・サイエンシズはこの日の市場閉幕後に予定される決算発表を前に、通常取引で4.03%高となった。
金融および消費関連銘柄も買われた。JPMorganチェースが1.26%高、ビザが2.48%高、マスターカードが4.16%高となった。ウォルマートとホーム・デポもそれぞれ2.09%高、3.60%高を記録した。
大型ハイテク株の中でもアップルは1.48%高、メタ・プラットフォームズは1.96%高となり、アルファベットとは異なる動きを見せた。このように上昇銘柄が幅広く分布したため、主要指数の下落が市場全体の弱含みにつながることはなかった。中小型株中心のラッセル2000指数は1.01%高の2859.22で取引を終えた。S&P500の構成銘柄でも、下落銘柄より上昇銘柄のほうが多かった物色となった。
企業の決算発表と同時に公表された経済指標では、景気拡大とインフレ圧力の高まりが同時に確認された。米商務省経済分析局(BEA)によると、第3四半期の国内総生産(GDP・速報値)は前四半期比年率3.4%増となった。第2四半期の成長率(2.2%)を上回っており、投資の伸び加速や政府支出の持ち直しなどが成長ペースを押し上げた。
もっとも、9月の消費指標では家計の購買力にかかる負担が浮き彫りになった。個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比3.6%上昇、前月比0.5%上昇した。食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数はそれぞれ3.1%上昇、0.3%上昇となった。名目個人消費支出は前月比0.5%増加したものの、物価変動の影響を除いた実質消費はほぼ伸びず、実質可処分所得は0.3%減少した。
市場閉幕後も主要企業の決算発表が相次いだ。通常取引で4.25%安となったアマゾン・ドット・コムは、決算公表後の時間外取引でもさらに下落した。AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上高は前年同期比39%増となったものの、同社が提示した第4四半期の売上高見通し(2400億〜2470億ドル)の中央値が市場予想を下回った。大規模な設備投資に伴うキャッシュ流出への懸念も株価の重しとなった。
インテルも通常取引で3.62%安となった後、決算発表後の時間外取引で下げ幅を大きく拡大させた。第4四半期の売上高見通しが期待外れとなったことに加え、PC需要の低迷やイスラエルの工場での爆発事故に伴う生産支障が響いた。ロイター通信によると、報道時点でのインテルの時間外株価は約18%下落している。







