公的債務がGDPの119%…ドイツとの金利差は2011年以来最大水準 国債発行利回りが上昇し、応札倍率は低下…緊縮計画の実行の行方に注目
フランスの国債利回りが欧州債券市場の堅調とともに低下したものの、財政健全化に対する懸念はくすぶっている。債務が膨らむ中で国債の発行コストも高まっており、政府が提示した財政赤字削減計画の実行可否が重要になっている。
6日(現地時間)、フランスの10年物国債利回りは場中に前日比14bp(1bp=0.01%ポイント)低下した4.72%で取引された。欧州債券市場が全般的に堅調な推移を見せる中、フランス国債も上昇(利回りは低下)した。
極政党「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏は同日、来年の大統領選で勝利した場合、2032年を基準として2026年比で1,400億ユーロの純財政削減を達成するという計画を提示した。ロイター通信は、この公約も利回り低下に一部寄与したとの市場の評価を伝えた。
ドイツとの開いた金利差、フランス財政への警告
一日の利回り低下だけで財政不安が解消されたと判断するのは難しい。事前の市場の警戒感は、ドイツ国債との金利差に表れていた。
EFGインターナショナルの5日付の分析資料によると、今月2日のフランスとドイツの10年物国債利回りの格差は一時150bpを超え、2011年末以来の最高水準に拡大した。フランスの10年物利回りも2002年以来の最高水準である5%に迫った。
同じユーロ建てで発行される国債であっても、投資家がフランスに資金を貸し出す際により高い利回りを要求していることを意味する。EFGは、フランスの公的財政の持続可能性に対する懸念と政治的不確実性を、金利格差拡大の背景に挙げた。
膨らんだ債務に借入コストの上昇まで
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が発表した今年第2四半期末の公的債務は3兆5,955億ユーロとなった。前四半期より596億ユーロ増加し、国内総生産(GDP)に対する債務の比率は117.5%から119.0%へ上昇した。
高まった市場金利は、実際の国債発行コストにも反映された。フランス債務管理庁(AFT)の10月1日の入札で、2036年11月満期の国債の平均落札利回りは4.93%だった。同銘柄の直前の入札である9月3日の4.23%より0.70%ポイント高くなった。
金利上昇の影響は、新規借入や満期を迎えた債務を返済するための借り換えの過程で徐々に蓄積される。低い金利で借り入れていた資金をより高コストの資金で置き換えれば、利払い費が増えて財政赤字の削減が困難になり、追加借入の負担も膨らむ可能性がある。
入札需要にも変化が生じた。応札額を落札額で割った応札倍率は、同期間に2.28倍から2.00倍へと低下した。政府の国債発行は続いたものの、落札規模に対する応札需要は直前の入札よりも減少した。
赤字削減計画でも債務増加…政治的合意が鍵
フランス政府は1日に公表した2027年予算案で、今年のGDP比5.4%と予想される財政赤字の比率を来年は5.0%に引き下げるという目標を提示した。このため、支出抑制や税制調整などを含む総額540億ユーロ規模の財政改善を推進する。このうち新規措置は430億ユーロ規模となる。
政府はこうした措置を反映させても、GDPに対する公的債務の比率が2027年に121.7%に達すると見込んだ。財政赤字を削減しても、債務比率の上昇は続くと予想したわけだ。
政策を実行する政治的環境も不透明だ。フランス政府は2027年の大統領選挙を控え、分裂した議会で財政赤字削減案に対する合意をまとめるのに苦労している。政府予算案は政治的な反発を乗り越えなければならず、ルペン氏が提示した緊縮公約も実際の執行プランに裏付けられている必要がある。
今後の注目点は、予算案の審議過程で赤字削減目標とそれを達成するための措置がどれほど維持されるかだ。後続の国債入札で調達金利と応札需要が安定するかどうかも併せて見極める必要がある。







