HLBイノベーション「ベリスモ、SITCで固形がんCAR-Tの前臨床成果を発表」
既存のCAR-Tと比較し、T細胞の疲弊やサイトカイン放出の低減を確認
メソテリン標的治療薬「SynKIR-110」の米国フェーズ1臨床試験が進行中
HLBイノベーション(024850)の米国子会社ベリスモ・セラピューティクスが、次世代KIR-CARプラットフォームを活用した固形がん向けCAR-T細胞療法の前臨床研究結果を国際学会で公開する。
HLBイノベーションは、ベリスモが来る11月6日(現地時間)、米国アリゾナ州フェニックスで開催される米国がん免疫療法学会(SITC 2026)にて、メソテリン(Mesothelin)を標的とするKIR-CAR T細胞の前臨床研究結果をポスター発表すると16日、明らかにした。
今回の研究では、ベリスモのマルチチェーン(multi-chain)構造のKIR-CAR T細胞と、従来のCAR-Tに主に使用されているCD28または4-1BBベースのシングルチェーンCAR-Tを生体内(in vivo)の前臨床モデルで比較した。研究の結果、KIR-CARは従来のCAR-Tと比較して、T細胞の疲弊やサイトカイン放出が抑制される特性を示した。
CAR-T治療薬は血液がんにおいて高い治療効果を証明してきたが、固形がんにおいては免疫抑制的な腫瘍微小環境や、持続的な抗原刺激に伴うT細胞の疲弊などにより、治療効果を維持することが困難であった。
ベリスモのKIR-CARプラットフォームは、ナチュラルキラー(NK)細胞のKIR受容体構造を模倣したマルチチェーン方式を適用している。抗原認識とシグナル伝達の要素を1つのチェーンに結合させる従来のCAR-Tとは異なり、2つの構成要素を分離し、がん細胞の標,的抗原を認識した際に活性化シグナルが伝達されるよう設計されている点が特徴である。
今回の研究に使用されたメソテリン標的KIR-CAR技術は、ベリスモが米国でフェーズ1臨床試験を進行中の「SynKIR-110」にも適用されている。SynKIR-110は、メソテリンを発現する卵巣がん、胆管がん、中皮腫などの進行性固形がん患者を対象に開発が進められている。
ベリスモは今年のアメリカがん研究学会(AACR)でも、SynKIR-110の初期臨床結果を発表している。当時、同研究はプレナリーセッション(Plenary Session)に選定され、固形がん向けCAR-T治療薬としての開発可能性を提示した。
ベリスモのブライアン・キム(Brian Kim)代表取締役兼共同創業者兼は、「今回の研究は、従来のCAR-Tとの直接比較を通じて、マルチチェーン構造のKIR-CARがT細胞の疲弊とサイトカイン放出を抑制するという差別性を生体内で確認できたことに意味がある」とし、「研究結果を基に、SynKIR-110の臨床開発を継続し、固形がんCAR-T治療の新たな可能性を開拓していく」と述べた。







