米海軍の上陸艦を初受注…追加建造のオプションを確保
フィリー造船所に大規模投資…生産能力の10倍拡大を推進
米国が軍艦の建造遅延と造船所の不足に頭を悩ませる中、ハンファは現地造船所の買収に続き、米海軍の艦艇建造契約まで勝ち取った。米国は軍艦の国内建造を原則としている。ハンファは米国の造船所を直接買収して現地の生産拠点を整備し、韓国の造船技術を活用して米海軍市場への参入を果たした。
ハンファが獲得した米海軍・海兵隊の中型上陸艦(LSM)の建造契約は、規模が2億6900万ドル(約3575億ウォン)に上る。まず1隻を建造し、追加で3隻のオプションが行使されれば、合計4隻を担当することになる。建造は2027年第4四半期に開始される予定だ。
中型上陸艦は全長約100mで、海兵隊の兵員と装備を島や海岸へと輸送する艦艇である。米国はインド太平洋地域における海兵隊の分散作戦を支援するため、計35隻を導入する計画だ。
実際の建造を担当するフィリー造船所は、ハンファオーシャンとハンファシステムが2024年末に共同買収した拠点である。ハンファオーシャンが巨済(コジェ)造船所の生産技術を現地に移転する一方、今回の契約はハンファエアロスペースの米国防衛産業子会社であるハンファディフェンスUSAが獲得した。
米海軍の発注方式が変化…ハンファ、競争入札で受注を獲得
米海軍は今回の中型上陸艦事業において、民間船舶建造管理者(VCM)方式を導入した。海軍が造船所別の契約や建造スケジュールを直接管理する代わりに、専門業者に委託することで建造の遅延やコストの増加を抑制するという狙いがある。
米国の船舶建造管理企業トット・サービス(TOTE Services)は今年7月、現地的造船所を対象に競争入札を実施した。ハンファディフェンスUSAは価格競争力と契約条件が評価され、建造業者に選定された。
トット・サービスのジェフ・ディクソン社長は契約発表の際、「今回の契約は、VCM方式が提案依頼から契約締結までどれほど迅速に進められるかを示すものだ」と述べた。
トット・サービスは米海軍と22億ドル規模の事業管理契約を結んでおり、まずは最大8隻の建造を管理する。ハンファが確定受注した分量は、そのうちの1隻となる。
米国のボリンジャー造船所やイタリア・フィンカンティエリの米国子会社マリネット・ママリンも、中型上陸艦事業に参入している。ボリンジャーは先導艦の建造契約を獲得し、マリネット・ママリンは長期調達資材の契約に参加した。トット・サービスは両社と追加建造契約を協議中である。
フィリー造船所は、トット・サービスが管理する米海事局の国家安全保障多目的船舶(NSMV)事業を遂行した実績を持つ。計5隻のうち4隻を建造・引き渡し、最後の船舶は2027年に引き渡す予定だ。今回の軍艦事業においても、当時確保した人材やサプライチェーンを活用することが可能だ。
1億ドルで買収した造船所…50億ドルの投資計画で大規模拡張へ
ハンファは2024年12月に約1億ドルでフィリー造船所を買収した後、昨年8月にドック2基と岸壁3基の新設、船舶ブロック組立施設の拡充などを含む50億ドル規模の長期投資計画を発表した。
米国の地元日刊紙フィラデルフィア・インクワイアラーによると、ハンファは買収後、溶接・塗装設備や教育施設、生産設備の改善などに約3億5000万ドルを投じた。2027年末までにさらに承認された投資額も約4億ドルに達する。
今年9月には、造船所近隣の47エーカー(約19万㎡)を追加賃借することを決定した。既存の110エーカーと合わせると、敷地総面積は約157エーカーとなり、従来より40%以上拡大することになる。
それでは、50億ドルを投じてハンファが構築しようとしている造船所は、どの程度の規模になるのだろうか。
ハンファが提示した長期的な生産目標は、年間最大20隻である。現在、フィリー造船所では平均して8ヶ月に1隻のペースで船舶を建造している。ドックや組立施設を増やし、複数隻を同時に建造できるよう生産能力を拡大する計画であり、目標物量には軍艦と商船の双方が含まれる。
設備の拡充とともに、韓国の造船所の生産技術も現地に導入されている。巨済造船所で運用している企業資源計画(ERP)や生産管理システムを適用し、溶接の自動化設備を拡充する作業を進めている。資材供給から船舶ブロックの製作、最終組立に至るまで工程別のスケジュールを管理し、建造期間を短縮することに焦点を当てている。
生産能力の拡大を急ぐ背景には、すでに確保している商船の受注残がある。フィリー造船所は中型石油製品・化学品タンカー(MRタンカー)4隻を受注しており、追加で6隻の建造オプションを確保した。LNG運搬船2隻も建造する予定である。石油・化学品タンカーの初引き渡し目標は2029年序盤だ。
このスケジュールに、2027年第4四半期から始まる米海軍の中型上陸艦の建造が加わる。現在の生産能力では増加する物量に対応しきれないため、ドックの増設と熟練労働者の確保が急務となっている。フィリー造船所の雇用人員は、ハンファ買収前の約1800人から最近では2300人規模へと増加しており、長期的には4000人以上にまで拡大する計画だ。
ハンファが獲得した中型上陸艦はまず1隻であるが、追加3隻のオプションが行使されれば、建造物量は最大4隻へと増加する。米海軍が全35隻の導入を計画しているだけに、後続受注の機会も開かれている。ハンファがフィリー造船所の生産能力をどれほど急速に引き上げられるかによって、米軍艦市場で確保できる事業規模も変動し得るといえる。






![[Big Insight - メル] 今投資すれば米株は勝率100%って本当か?](https://media.markettimes.co.kr/%EB%A9%94%EB%A5%B4%20%EB%A9%94%EC%9D%B8%EC%9D%B4%EB%AF%B8%EC%A7%80-400x300.webp)
