10年債利回り5.3%台でもナスダック最高値更新…利益成長への期待が金利負担を吸収
雇用の鈍化・原油価格の下落も投資家心理を後押し…第3四半期決算が持続可能性の試金石に
米国株式市場が5%台の長期金利下でも強気相場を維持している。企業の資金調達コストの上昇や株価評価への制約が生じているものの、人工知能(AI)を中心とした利益拡大への期待が買い意欲を支えている。企業がこうした期待を実際の業績で示せるかどうかが、高金利と株価上昇の共存が続くかどうかの核心的な変数となる。
5日(現地時間)、米国10年債利回りが5.3%台で推移する中、ナスダック総合指数は1.05%高の27,477.31で取引を終え、史上最高値を更新した。S&P500指数も0.66%上昇した。大型ハイテク株が買われ、債券利回りの上昇にもかかわらず主要指数は揃って堅調に推移した。
この日の投資家心理には、金融政策やエネルギー価格も追い風となった。2日に発表された米国の9月雇用統計が予想を下回ったことで、10月の連邦準備制度(FRB)による追加利上げの可能性が低下したほか、国際原油価格の下落も買い安心感を支えた。
長期金利が高水準で推移する環境下では、企業がいかに収益を上げられるかが重要となる。国債利回りが上昇すれば企業の借り入れコストは増大し、将来の利益を現在価値に換算する際の割引率も高まる。同じ利益を上げる企業であっても、株価評価(バリュエーション)にとっては不利な構造となる。利益が急速に拡大すれば、こうした負担を吸収し、株価が上昇する余地が生まれる。
企業業績に対する市場の期待は高い。ロイターが5日に報じたLSEGの集計によると、S&P500構成企業の第3四半期利益は前年同期比で30%以上増加すると予測されており、AI関連企業がその増加を牽引すると見込まれている。まだ確定した実績ではないものの、投資家が高金利環境下でも成長企業に注目している背景を物語っている。
利益見通しが株価よりも速いペースで高まっているとの分析もある。インベスコのチーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト、ブライアン・レビット氏は同日の分析で、今年の株価上昇にもかかわらず、予想利益に基づく株価収益率(PER)は低下している点を指摘した。同氏は、金利が株価のマルチプル(評価倍率)を抑制する一方で、利益の増加が相場を支えてきたと解釈した。
AIブームは金利の影響を大きく受けないとの見方もある。モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、リサ・シャレット氏はロイターに寄せたコメントの中で、こうした特性と経済成長力が、債券市場の不安の中でも株式市場が安定を維持している背景であると指摘した。
しかし、高金利に耐える力は企業ごとに異なる。インベスコも、資金調達コストの上昇が脆弱な企業を圧迫していると指摘した。指数が上昇しているからといって、市場全体が高金利に適応したと拡大解釈するのは難しい理由がここにある。
今後発表される第3四半期決算は、こうした格差を確認する機会となる。企業が高い利益見通しを達成し、成長傾向が他のセクターにも波及すれば、株価上昇を支える基盤はさらに拡大する。逆に、業績が期待に届かなければ、金利による圧迫が再びクローズアップされる可能性がある。金利水準と企業の利益成長スピードの両方を注視すべき局面である。







