「サーフェス・ラップトップ・ウルトラ」の事前注文を開始…最大128GBのメモリをサポート
PCとクラウドで分担してAI処理を実行…セキュリティ強化と利用コスト削減を推進
マイクロソフト(MS)がエヌビディア(NVIDIA)製チップを搭載した高性能AI PCの事前注文を開始し、市場攻略に乗り出した。これまでクラウドで処理していた人工知能(AI)作業の一部をPCに移行することで利用コストを削減し、ユーザーが自身のデータを直接管理できる範囲を拡大するという構想だ。
MSは7日(現地時間)、「サーフェス・ラップトップ・ウルトラ」の事前注文を開始した。同製品はエヌビディアとメディアテック(MediaTek)が共同開発した「RTXスパーク」チップを搭載し、最大128GBの統合メモリをサポートする。MSは、一部の大規模AIモデルをデバイス内で実行し、コードの作成やレビュー、モデルのテストなどに活用できると説明した。発売日は16日となる。
こうしたデバイス内部の演算能力は、MSが提示した「ハイブリッド・インテリジェンス」戦略の基盤となる。PCで処理できる作業はデバイス内で実行し、より多くの演算が必要な作業はクラウドに委ねる方式だ。AIを繰り返し呼び出すことで発生するクラウド利用の負担を軽減しつつ、必要な場合にはクラウドの処理能力を活用できるようにするという趣旨だ。
この戦略はAIアシスタント「コパイロット(Copilot)」にも適用される。ユーザーの許可を得てPCに保存されたファイルや作業の文脈を把握し、ファイルの整理やデバイスのトラブルシューティングなどを実行しながら、必要な場合はデバイス内部のAIモデルを活用するという計画だ。関連機能は今後数カ月にわたり、コパイロット+(Copilot+)PCに順次提供される予定だ。
AIがファイルを読み込んで直接作業を遂行する範囲が広がる分、アクセス権限を統制する装置も用意された。MSはこの日、Windows 11において「マイクロソフト・ランタイム・コンテナ(MXC)」を正式に提供すると発表した。企業がAIエージェントに許可するファイルとネットワークのアクセス範囲を定めれば、実際の実行プロセスにおいてそのルールを適用する技術だ。AIに業務を任せながらも、許可されていないデータやシステムへのアクセスを制限する狙いがある。
これをサポートする製品群も拡大する。ASUS、デル(Dell)、HP、レノボ(Lenovo)、MSIもRTXスパークベースのPCの事前注文を開始した。MSは開発者およびAIエンジニア向けの小型デスクトップ「サーフェス RTXスパーク デブ・ボックス」の事前注文も受け付け開始しており、米国で11月に配送する予定だ。ノートPCとデスクトップを通じて、多様な作業環境でAIモデルを実行・テストできるようにするという構想だ。
高い機器価格は普及への負担となっている。サーフェス・ラップトップ・ウルトラは24GBメモリの基本モデルが、米国での販売価格が2,599.99ドルからとなっている。ロイターは、メモリ価格の高騰によって上昇した機器購入費用が、PCでAIを直接実行する方式の普及における障害となり得るとの専門家の評価を伝えた。クラウド利用料を削減できるという期待とともに、初期の機器購入費用の考慮も求められている。






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